感動した本、心に残った本

「宮本武蔵」 吉川英治

高校1年の時学校の図書館で見つけのめりこんでしまいました。生涯六十余度の決闘において無敗の武蔵が、苦悩しながら修行を重ね剣の道を究めていく、そのストイックな生き方に少年時代の私は憧れました。また書画芸術にも非凡な才能を発揮したという人間としての厚さは、いまだに私の理想の人間像そのものです。

宮本武蔵

「壬生義士伝」 浅田次郎

ふるさと盛岡をこよなく愛しながら、南部藩脱藩の汚名を背負い新撰組隊士として人を斬る主人公吉村貫一郎。「武士が仕えるは主君にあらず妻子である」という信念のもと、隊士仲間に守銭奴と言われても妻と子のために金を稼ぐ姿は、時代小説の主人公としては異色だが、家族を何よりも大切に思う心には共感を抱きました。この本は友人が薦めてくれたのですが、以来浅田次郎の虜となってしまいました。

壬生義士伝

「蒼穹の昴」 浅田次郎

私は伝説とか予言の類が大好きです。星占いの老婆の言葉に導かれ、宦官として立身出世を目指す主人公春児の活躍には心が躍りました。世界最難関試験といわれる科挙の描写や、清朝末期の中国とそれを狙う列強との国際関係の中で展開するストーリーは、息をもつかせず一気に読ませてしまう傑作です。

蒼穹の昴